鉢植えマンゴーの味の秘密 


 7月12日、指宿地区マンゴー同志会の現地検討会、および室内研修が開かれました。おりしも中元期のマンゴー出荷シーズンでもあり、栽培農家は各自のマンゴー果実を持ち寄り、糖度検査、クエン酸検査、試食による比較試験を行いました。
 以前から鉢植えマンゴーは地植えマンゴーに比べると見栄えは劣るが風味は格段に上だと言われてきましたが、今回その風味の秘密の一端が判明しました。


持ち込まれた果実は着色度合いもまちまち

 種を避けてマンゴーをざっくり切ります。種をうまく避けつつなるべく実を厚く切るには熟練の技が必要です。何度も失敗をしなが徐々に種の位置を推測できるまでになるのです。


 種すれすれに実を三枚におろしたところです。種の入った真ん中の部分をいかに薄く切れるかで熟練度が分かります。通常、種の周りの実がたくさん残った部分は実を切る人の分け前となります。


 実の部分は更に等分に切り分けます。このひとかけらは、大胆にもつぶされジュースにされて試験に使われます。

 実を一つずつ一口大に切り分け試食用に皿に盛り付けます。持ち込まれた果実は20個ほど。20個の実を一つずつ試食するのです。

 それぞれ実はジュースにされ、一つずつ番号を振られ試食と同時に各試験がなされます。

 まずは、糖度検査です。14度から17度台と糖度はまちまちです。我が家のは全て16度台となっていました。


 次に行われたのがクエン酸の検査です。いわゆる「すっぱさ」を表すクエン酸はマンゴーにも含まれています。高校の化学の授業でやった中和滴定で酸度を測ります。


 今回の検査で鉢植えマンゴーの味の秘密がわかってきました。鉢植えマンゴーは風味が良いとマンゴーを食べ慣れた人は良く言います。今回試食で糖度が高いマンゴーを食べたときに、糖度が高いだけではおいしいとは感じないことが良く分かりました。
 地植えマンゴーに比べると鉢植えマンゴーはクエン酸の含有量が2倍近く高くなっています。酸味が倍近いのです。糖度が高いのですっぱいとは感じ無いのですが、その分味に深み感じられるのです。ただ甘いだけではなく酸味を含むことにより風味の良さがでているのです。
 なぜ鉢植えだとクエン酸の含有量が多いのかは判明していませんが、通常の栽培方法と差別化を図る意味でも一つの大きな発見となりました。クエン酸の疲労回復効果など、今後への期待も増えました。

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